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佐藤 駿介*; 名内 泰志*; 早川 岳人*; 木村 康彦; 鹿島 陽夫*; 二上 和広*; 須山 賢也
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.615 - 623, 2022/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)使用済燃料中のCs放射能を非破壊で評価する新しい方法を提案し、燃焼度クレジット導入における物理的測定について実験的に実証した。Cs放射能は、Cs放射能がよく知られている参照燃料を用いずに、線測定と数値検出器応答シミュレーションを用いて定量された。燃料サンプルは、商業用加圧水型炉(PWR)で53GWd/tまで照射された先行使用集合体(LUA)から取得した。試料から放出された線は、ホットセルに取り付けたコリメータを通して、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)シンチレーション検出器を用いて測定された。検出器による線の検出効率は、測定ジオメトリを考慮して粒子輸送計算コードPHITSを用いて計算した。試料に対する検出器応答のより正確なシミュレーションのために、試料中のCs, Cs, Euの相対放射能を高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器で測定した。検出器の絶対効率は、別のジオメトリの標準ガンマ線源を測定することにより校正された。測定された計数率と検出効率を用いて、燃料試料中のCs放射能を定量した。定量されたCs放射能は、MVP-BURN燃焼計算コードで推定されたCs放射能とよく一致した。
横山 賢治
日本原子力学会第51回炉物理夏期セミナーテキスト「燃焼計算の基礎と実践」, p.95 - 135, 2019/08
汎用炉心解析システムMARBLE2に含まれる燃焼計算機能について、実際にMARBLE2を対話的に実行させながら紹介する。MARBLE2は高速炉の核特性解析を主目的とした解析コードシステムであるが、ユーザは目的に応じて小さな部品を組み立てながら使うことができる。このため、高速炉の核特性解析以外にも適用することができる。MARBLEでは、このような使い方を実現するために、Pythonという汎用のオブジェクト指向スクリプト言語を使って開発している。Pythonによる実装はプログラムが短く内容を理解するのが容易であるので実装例を示しながら、MARBLEの燃焼計算機能について紹介する。また、MARBLEの部品を使って簡易的な燃焼計算システムを構築する例を紹介する。
奥村 啓介
日本原子力学会第51回炉物理夏期セミナーテキスト「燃焼計算の基礎と実践」, p.16 - 38, 2019/08
様々な燃焼・放射化計算、燃焼チェーンの作成方法、研究炉の炉心燃焼解析、商用炉燃料の照射後試験解析、高レベル放射性廃液中の長寿命難分析核種のインベントリ評価、燃焼計算コードの検証、ORIGENコードの改良、福島第一原子力発電所プラントの崩壊熱計算、といった研究事例を採り上げ、燃焼計算の現場応用に必要な知識とその活用について解説する。
多田 健一; 菊地 丈夫*; 崎野 孝夫; 須山 賢也
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(2), p.138 - 150, 2018/02
被引用回数:3 パーセンタイル:30.05(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所の燃料デブリの臨界安全は、最も重要な研究課題の一つである。合理的な燃料デブリの臨界安全のためには、燃焼度クレジットを適用することが求められている。燃焼度クレジットを適用するためには、燃焼計算コードの妥当性検証が必要となる。そこで、日本原子力研究所が1990年代に取得した東京電力福島第二原子力発電所二号機の使用済み燃料のPIEデータを統合化燃焼計算コードシステムSWAT4.0の検証に用いた。実験値との比較結果を見ると、多くの核種で実験値とよく一致したが、U, Np, Pu、及びSmで実験値との差異が大きくなることが分かった。これらの差異は燃料中の初期原子数密度及びボイド率の仮定と、Npの捕獲断面積の過大評価が要因であると考えられる。これらの差異はウラン燃料かGd入り燃料かによって変化せず、またPWR燃料の場合とほぼ同程度であった。このことから、SWAT4.0はBWR使用済燃料組成を適切に評価でき、かつ燃焼度クレジットを適用するために十分な解析精度を有していることが分かった。
須山 賢也; 横山 賢治
核データニュース(インターネット), (119), p.38 - 47, 2018/02
我が国は数多くの核計算コードを開発してきたが、未だに広く使用されるORIGEN2コードを置き換える一点炉燃焼計算コードの開発には至っていない。一点炉燃焼計算コードは我が国で増大する使用済燃料の特性評価に欠かせず、また断面積だけでは無く核分裂収率や崩壊データまでを含むあらゆる評価済核データを使用するために、核データや核計算コード分野においてキラーソフトと成り得るものである。本稿では、このような一点炉燃焼計算コードを我が国で開発する必要性や、筆者の考えるコードの機能及び性能を論じる。
加藤 慎也; 下本 善彦; 加藤 優子; 北野 彰洋
JAEA-Technology 2014-043, 36 Pages, 2015/02
炉心管理運用コードシステム(以下、「炉心管理システム」という)は、原子炉の管理・運用に必要なデータ管理、解析実行、編集作業を一元的に制御することで業務の効率化を図ることを目的としたシステムである。炉心管理システムは、入力定数作成、核熱特性解析、放射線解析、炉心健全評価、炉心運用解析の5つのモジュールシステムから構成される。これらのうち、核熱特性解析モジュールシステムには、専用に開発した3次元拡散燃焼計算コードHIZER(以下、「HIZER」という)が組み込まれている。HIZERにより、「もんじゅ」の設計仕様、運用計画に特化した核特性解析が可能となり、「もんじゅ」炉心に対して高精度かつ高効率な核特性評価を実施することが可能となっている。本レポートではHIZERの計算方法及びHIZERの計算値の妥当性確認について述べる。
野村 靖; 望月 弘樹*
JAERI-Tech 2002-068, 131 Pages, 2002/11
通常用いられるORIGEN2.1コードと付属ライブラリー及び原研で開発された最新のライブラリーを用いて、BWR燃料燃焼計算の結果に適用される核種組成補正因子の導出を行い、典型的なBWR使用済燃料棒の輸送あるいは貯蔵設備を模擬した無限配列体系に対して、ORIGEN2.1計算結果をそのまま入力とした場合,補正因子を適用した場合、さらにPIEデータを直接入力とした場合の臨界計算を行い、算出された中性子像倍率を比較検討した。その結果、補正因子を核種組成計算値に適用した場合には、他のいずれの場合よりも中性子像倍率が高く計算され、臨界安全解析上保守側の結果を与えることが確認された。
中原 嘉則; 須山 賢也; 伊奈川 潤; 永石 隆二; 黒沢 節身; 河野 信昭; 大貫 守; 望月 弘樹*
Nuclear Technology, 137(2), p.1 - 16, 2002/02
使用済軽水炉燃料に関する燃焼計算の精度検証に必要な核種組成ベンチマークデータセットを確立した。3本のPWR使用済燃料棒及び2本のBWR使用済燃料棒から切断採取したそれぞれ16試料(PWR)及び18試料(BWR)について、放射化学的分析により、U,Pu,Np,Am,Cmのアクチノイド及びNd,Sm及び線放出下p核種の組成及び量の精密測定を行った。試料の燃焼度範囲は、4~50GWd/t,U初期濃縮度は2.6~4.1%の範囲にある。試料の燃焼度は、分析結果をもとにNd法により求めた。本報告は、分析結果及び関連する照射条件データをとりまとめたものである。
須山 賢也; 片倉 純一; 清住 武秀*; 金子 俊幸*; 野村 靖
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(1), p.82 - 89, 2002/01
被引用回数:8 パーセンタイル:47.9(Nuclear Science & Technology)JENDL-3.2,ENDF/B-VI及びJEF-2.2の評価済核データライブラリの最新版をそれぞれ用いた場合の、燃焼計算結果の相互比較を行った。その結果、ウラン及びプルトニウムの多くの同位体核種の生成量の計算値には、これら核データライブラリーの違いによる影響は少なかった。しかしながら、Pu,Cm,Sm,Csのような核燃料サイクル評価上重要な数核種同位体については明らかな差異が認められた。この原因について検討し、核種生成崩壊チェーンの分析を行った。
奥村 啓介; 中川 正幸; 金子 邦男*; 佐々木 誠*
JAERI-Conf 2000-018, p.31 - 41, 2001/01
従来の決定論的手法に基づく燃焼計算コードは、幾何形状表現に関する制約、実効共鳴断面積に関する近似、極端な非等方性や非均質性による拡散近似の破綻などの理由により、解析が困難な燃焼問題に直面することがある。例えば、プルトニウムスポットの燃焼特性の予測、超小型炉の炉心設計、研究炉の照射キャプセル内試料の解析などである。こうした問題にも即座に対応できるように、連続エネルギーモンテカルロコードMVPを用いた燃焼計算コードMVP-BURNを開発した。国際ベンチマーク問題における決定論的手法コードとの比較、商用炉の使用済燃料サンプルに対する燃料組成の測定値との比較を実施し、コードの妥当性を確認した。
中原 嘉則; 須山 賢也; 須崎 武則
JAERI-Tech 2000-071, 381 Pages, 2000/10
使用済燃料の貯蔵施設等の臨界安全設計における経済性向上を目的に、科学技術庁からの委託により燃焼度クレジット導入に関する技術開発「軽水炉使用済燃料臨界安全管理技術開発」を平成2年度から平成11年度まで実施した。本報告は、上記事業の成果をまとめたものである。本技術開発では、商用PWR/BWR燃料を使用した使用済燃料棒の軸方向ガンマスキャン測定、一部燃料資料の放射化学分析による核種組成の精密定量、及び集合体の未臨界実験を行い多くの実測データを取得した。また、これらの測定データを使用して燃焼/臨界計算コードの検証、線測定による燃焼度評価、及び貯蔵容器等の安全裕度を検討した。
高下 浩文; 樋口 真史*; 富樫 真仁*; 林 達也*
JNC TN8410 2000-011, 185 Pages, 2000/05
FBR炉心解析技術について、関連部署への周知及び技術の伝承のために、設計評価Gr.において用いられている核設計手法についてまとめた。特に当Gr.で実施してきた127本バンドル「もんじゅ」高度化炉心の概念設計に対して用いられている核設計手法を中心に示した。示した項目は実効断面積の作成、2次元燃焼計算、3次元拡散計算、反応度係数計算、制御棒価値計算における計算方法である。本報告書で示される手法は、現時点での当Gr.の標準的な核設計手法である。しかし、今後、評価精度の向上を目指して、計算コードの高度化・整備、「もんじゅ」性能試験データ等を用いた設計評価における補正・不確かさの低減、核データ更新等を実施していく予定であり、それに伴い、核設計手法も見直される可能性があるが、情報の共有化の観点から現時点での当Gr.の標準的な核設計手法をまとめたこととした。
大野 修司; 松木 卓夫*; 石川 浩康; 三宅 収
JNC TN9520 2000-001, 196 Pages, 2000/01
高速増殖炉プラントにおけるナトリウム漏えい燃焼事故の熱的影響を解析するための計算コードとして、ASSCOPS(Analysis of Simultaneous Sodium Combustion in Pool and Spray)が開発された。本報告書は、ASSCOPS version 2.1の使用マニュアルとして、同コードで扱われる計算モデル、インプット、アウトプットについて取りまとめたものである。ASSCOPSコードは、米国Atomics International社で開発されたナトリウムのプール燃焼計算コードSOFIREIIと米国Hanford Engineering Development Laboratoryで開発されたスプレイ燃焼計算コードSPRAYの二つのコードを結合したものである。ナトリウムの漏えい条件(流量、温度)、部屋の形状(容積、構造物の面積・厚さ)、雰囲気初期条件(温度、圧力、ガス成分濃度)などを計算条件として、雰囲気圧力、温度や酸素濃度変化ならびに構造物の温度変化などの時刻歴が計算結果として得られる。
小此木 一成*; 中村 武彦; 吉永 真希夫; 細山田 龍二*
JAERI-Data/Code 99-018, 112 Pages, 1999/03
NSRRでは、照射済燃料実験の一環として、発電用原子炉で実際に使用された燃料に加え、高濃縮度燃料をJMTRであらかじめ照射した燃料(JMTR予備照射燃料)を用いた実験を実施している。JMTR予備照射終了時の燃料の状態は、NSRRパルス照射実験の初期状態であり、その状態の把握は実験燃料の発熱量及びFP量の評価上、極めて重要である。そこで今回、JMTR炉心の核計算を行い、反射体領域での中性子スペクトルを評価し、この中性子スペクトルを用いたJMTR予備照射燃料の燃焼計算法を開発した。本報告書では、JMTR予備照射燃料の燃焼計算に必要な断面積ライブラリ、燃焼計算用入力フォーマット(ORIGEN2コード用)及びJCL(動作環境:原研-AP3000)を用意した。
安藤 良平*; 高野 秀機
JAERI-Research 99-004, 270 Pages, 1999/02
消滅処理炉では、発電炉からの使用済燃料を再処理した時の高レベル廃液中に含まれるマイナーアクチニド(MA)や核分裂生成物(FP)を発電しながら消滅することを目的としている。発電炉の中心となっている軽水炉では、今後、高燃焼度化やMOXの本格利用等が計画されており、使用済燃料中のプルトニウムやMA組成も多様化すると考えられる。そこで、軽水炉(炉型:PWR及びBWR)で使用される取出燃焼度60GWd/tHMまでの高燃焼度化燃料(燃料タイプ:UO2燃料及びMOX燃料)について使用済燃料の核種組成を統合化燃焼計算コードシステムSWATで評価すると共に得られた核種組成を燃料形態(取出燃焼度・燃料タイプ・炉型)や冷却期間をパラメータにして比較検討し、種々の使用済燃料におけるMA生成量及びFP生成量について包括的な知見が得られた。本検討結果は、今後、消滅処理炉を検討する際の基礎データとして利用する。
須山 賢也; 岩崎 智彦*; 平川 直弘*
JAERI-Data/Code 97-047, 128 Pages, 1997/11
SWATは、照射後試験、消滅処理、そして燃焼度クレジットの解析を目的に開発された総合燃焼計算コードシステムである。国内における標準的熱炉解析コードSRACと、世界的に広く使用されている燃焼計算コードORIGEN2をコントロールすることで、照射環境に依存した中性子スペクトルをもちいて燃焼解析を行うことが可能である。SWATは、SRACの計算結果にもとづいて実効断面積ライブラリを作成し、そのライブラリを使用してORIGEN2による燃焼計算を行う。SRACとORIGEN2は、外部モジュールとして呼び出されることが可能である。さらに、SWATはJENDL-3.2から作成した独自の断面積ライブラリとJNDC Fission Products Library第2反より作成した崩壊及び核分裂収率ライブラリを有している。これらのライブラリを使用することで、計算者は、SRACによって求められた実効断面積以外にも、SWATによる計算において現在の最新データを使用することが可能である。また、SWATの出力ファイルを使用すれば、ORIGEN2用のライブラリを作成することも可能である。
須山 賢也; 増川 史洋*; 井戸 勝*; 榎本 雅己*; 田久 秀一*; 原 俊治*
JAERI-Data/Code 97-021, 86 Pages, 1997/06
COMRADは原研において開発された燃焼計算コードであって、COMRAD96は、COMRADを「断面積処理」「生成崩壊」「ポスト処理」のモジュール群に分けて、EWSに移植したコードで、UNITBURNとの連携によって、燃焼中の中性子スペクトルの変化を考慮した計算が可能であり、線スペクトルの端末上で図示も可能である特徴がある。本レポートは、COMRAD96の一般記述と入力データの説明からなっている。
大坪 章; 小綿 泰樹
PNC TN9410 97-029, 39 Pages, 1997/03
動燃では現在加速器による消滅処理研究の一環として、大電力電子線形加速器の研究をしている。そこで応用利用技術の一つとして、電子加速器とTRU燃料を用いた未臨界炉心体系を組み合わせたハイブリッド炉の核熱計算を昨年度行った。加速器と未臨界炉心体系を組み合わせたハイブリッド炉としては、良く知られているように電子加速器以外に陽子加速器を用いるハイブリッド炉がある。今年度は陽子加速器を用いるハイブリッド炉の核熱計算を実施して、両方のハイブリッド炉のTRU消滅特性を比較した。陽子加速器で加速された陽子ビームを、未臨界炉心体系の中央に位置するターゲット部に入射する。そして核破砕反応により中性子を発生させる。発生した中性子は周囲の未臨界炉心体系に入り、TRUを消滅させる。計算の結果、ビームパワー1MWの陽子線を1年間keffが0.95の未臨界炉心体系に入射した場合、TRU消滅量は約10kgになった。このTRU消滅量は、昨年度検討した電子加速器を用いるハイブリッド炉の場合のTRU消滅量の、約100倍である。
内藤 俶孝; 須山 賢也; 増川 史洋; 松本 潔; 黒澤 正義; 金子 俊幸*
JAERI-Data/Code 96-037, 70 Pages, 1996/12
近年のBWR燃料集合体のような非均質性が強い体系において燃焼計算を精度よく行うには、非均質な効果を考慮して中性子スペクトルを正確に評価することが重要である。MKENO-BURNは、3次元モンテカルロ計算コードMULTI-KENOと、一次元燃焼計算コードUNITBURNの燃焼計算ルーチンを組み合せた燃焼計算コードである。すなわち、MKENO-BURNは、MULTI-KENOにより3次元体系における中性子スペクトルを計算して1群断面積を作成し、任意の領域の燃焼計算を行う。これによって、3次元体系での燃焼計算が可能である。本レポートは、MKENO-BURNの一般的記述と入力データの説明からなっている。
中野 佳洋
JAERI-Tech 95-002, 63 Pages, 1995/02
JRR-4燃料のウラン濃縮度低減化に当たり、ウラン密度が3.8g/cm(内側燃料板)の低濃縮燃料を用いた場合の核特性解析を行った。計算には原研で開発されたSRACコードシステムを使用した。解析の結果、炉心を安全に制御でき、かつ運転を行うに十分な過剰反応度が確保されていること、各種の反応度係数が常に負の値であり、固有の安全性を持っていること、現行炉心とほぼ同じレベルの照射筒内中性子束が得られること、等が確認された。これらのことから、今回計算に用いた燃料はJRR-4にとって適当であり、この燃料を採用するという最終判断が下された。